凛野ミキの世界④-「家畜」編-
とりあえず凛野ミキ特集はこれで一旦〆とします。
最後にとりあげるのは、
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ピカピカ家畜 (1) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) 著者:厘の ミキ |
さすが、「ピカピカ」というだけあって、
表紙がキラキラ仕様ですw レアだよレア!!(笑)
さて内容はというと、
異世界につれてこられて突然家畜にされた少女マハネと、家畜に養ってもらわなければ生きていけないご飼い主様キュウ。家畜と飼い主の理想の関係を求めるキュウと、異世界から逃げ出そうとがんばるマハネ。そんな二人とちょっと奇妙な異世界の住人たちが織りなす悪ふざけファンタジー(帯より)
作者コメントにも「ちなみにペットでも奴隷でもなく家畜ですよ」と書かれていますが、ヒロインであるマハネは首輪をつけられ(しかもこの首輪の特殊能力のため飼い主さまの言うことを聞かざるを得ない)、散歩のときには鎖につながれ、なおかつご飼い主様の食事を調達するために、狩りにいかされたりします。愛玩用ではなく実用ですし、しかも人間扱いされてないから「家畜」というわけ(^^;)
ちなみに、マハネが迷い込んだこの異世界は、「ターミナル」と呼ばれる「死に損ない(ネアデス)」が集まる境界線の世界(=臨死の場)。そしてキュウたち異世界の住人はここに集まるネアデスを家畜化して自分達に使役させています。
しかもキュウの主食はこのネアデスにトドメを刺す(つまり死にきれない魂を死なせてあげる)ことで手に入るキャンデー(倒されたネアデスが変化。おかげで残酷描写にならずにすんでいます)なので、ご主人様を養うためにマハネは日々ネアデス狩りを続け(=引導を渡し続け)ねばならないのです。
……とこう書くと何だか相変わらずの猟奇作品wのようですし、まぁ若干そういう要素も相変わらずあるのですが(;^_^A でも全体的には軽快なコメディ作品に仕上がっています。
ヒロイン・マハネが可愛い!!(≧▽≦)
このイラストだけ見ると、いかにもな可愛い系の少女漫画ヒロインに見えますが、さにあらず!
監禁され癖があり、誕生日から数えて78回目の誘拐(ってどんな設定なんだ(笑)初登場シーンではスーツケースに入れられてるし(゜ワ゜;))で、この世界に連れてこられたという彼女は、その可憐な容姿からは想像もできないほど実にタフで勝ち気、どんな時でも弱音を吐かず、いつでも元気いっぱいな女の子です。とても凛野キャラとは思えないほどw
自分を家畜化しようとするキュウに徹底的に刃向かい、好きがあれば逃げようとしますし、
自分の欲求はガンガン主張します。
特に肉は大好きなようです(^皿^)
特にしびれたのは、家畜なんだから皿の水を舐めろと言われたマハネが、最初はのどの渇きに負けて舌を伸ばしかけるのですが(これに萌えてしまう私はぶっちゃけ「ドS」です☆)、そのあと皿を蹴り飛ばし、顔面に水をぶっかけて飲むというシーン☆ かっけえー゜+.(・∀・)゜+.゜
まぁそんなマハネも首輪の強制力で従順な家畜モードになっちゃったりするのですが、それはそれで可愛いからよし!!(*/ω\*)(←繰り返しますが私は基本「ドS」ですw)
ちなみに女子高生を誘拐、監禁して飼育するというと、映画「完全なる飼育」の原作となった「女子高生誘拐飼育事件」を思い出すのですが(読んだんかい( ゜A゜)っ彡☆。_。)イヤ面白ソウダッタシ)、
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竹中直人&小島聖!実在の事件を取材した松田美智子の『女子高生誘拐飼育事件』を映画化!DVD廃盤。■完全なる飼育■ |
この作品のご飼い主様である「キュウ」は別に、エロイ事が目的で女子高生のマハネを家畜化しているわけではなく、そもそも別に愛しているわけじゃありません(;^_^A 純粋に家畜がいなければ生きていけないのがその理由なわけで、
「俺は目に見えているものの存在しか信じないから。見ていないものが在るだなんて証明することは確実にできない。完全にできない。できないったらできない。俺は俺自身と俺の家畜しか信じない」
と真顔で言う、空虚な心の持ち主でもあります。なにせ声を出して笑うと言うことをしたこともなく、マハネの行動に思わず初めて笑ってしまったときには、笑い方がわからずお腹の痙攣に苦しんだりもしますし
また、「いらなくなった」家畜たちに対しては恐ろしいほど冷淡で、実にあっさりと処分してしまいます(;´д`) そのくせ、飼い主として家畜から好かれるのは当然と考えていますし、自分の言うことを聞く家畜しか相手にしたことがないので、言うことを聞かないじゃじゃ馬のマハネをどう扱ったらいいかわからず困惑することもしばしば。
そうかと思うと、自分を養ってくれる「家畜」に関しては、ある意味、母親を慕う幼子のような信頼を寄せており、狩りにいったマハネを心配して、2日間も森の外でじっと待ってたりもします。基本的にはマハネを大切に扱おうとする優しいご飼い主様ですし。
こうして考えると、要するにこの人は、「世界との関わり方や人の愛し方がわからない大きな子供」なわけですね。そして、マハネはそんなキュウのことが次第に何だかほっておけなっていきます。まぁ好きあれば逃げようとはしますがw 今後話が進めば、「自主軟禁」ぽくなるのでしょうか?(;^_^A
あとこの作品に奥行きを与えているのが、マハネにはニアデスたちの抱える現世の記憶が垣間見えるという特殊能力があること。死に損ないであるニアデスたちには、それぞれ複雑な背景を持つものが多く、ここんとこは人の心の闇や痛みを描く凛野節が冴える部分であります。今のトコ抑え気味ですが、第6話のようにそれが中心になる話もあって、単なるコメディ作品では終わらないぜ!って感じです。
というわけで、凛野さんの最新刊(初版発行の日付は2008/9/15(ってまだなってないじゃん(笑))「ピカピカ家畜」の紹介でしたが、ちなみにPNが「厘のミキ」に変わっています。
名前を変えて心機一転!、というのもあるのかもしれませんが、この作品は今までの凛野さんの陰惨な作風(笑)とは大きく変わり、絵柄もますます美麗かつ一般受けしそうなタッチになっていて、誰にでもお勧めできる娯楽作品となっています。まぁそこらはまだ一巻なんで今後どうなるかわかりませんが(;´д`)、でも続きが楽しみです
……以上、1週間全4回に渡り、凛野ミキ(厘のミキ)さんの特集をしてきました
(これで仲良しさんから借りた作品は全部(>_<) 「ピカピカ」は自分でも買おうかな♪)
が、
この1週間の間に「凛野ミキ(or厘のミキ)」の検索ワードで
この「あそコロ♪」に来た方の数は、
なんとゼロ!!(>_<;)(苦笑)
面白い漫画家さんだと思うのになぁ……
まだまだマイナーですね(оωо`)
(ちなみに、仲良しさんに「これでじょしこうせいのアクセスとか増えるかなぁ?(´ω`)」とか聞いたら、「健全な思考の女子高生は好かないと思うよ(;´д`)」とか言われたし)
今後このブログが少しでも
凛野さんの作品のファンを増やしてくれたら幸いです!!
(付記2010.6.30)
と、オチで書いたこの「凜野ミキ」シリーズが
今では結構なアクセスをたたきだしてくれています。
これからも凜野さんがんばってくださいね!゜+.(・∀・)゜+.゜
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