時間SFな設定の光る甘く切ない傑作ラブストーリー!『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(七月隆文)+付記(3.20)
ぐいぐい引き込まれて久々に一気読みしましたよ!
まぁそんなに長い話でも無いのデスが(文庫で280Pぐらい)
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
宝島社文庫から8/20に出た描き下ろし作デス。
全然前情報無しでのタイトル買いだったのデスが、
いやぁ、これは大当たりだよ!ヽ(*´ω`*)ノ
こんな時間SFの中でも掟破りと言えるアイデアをいかして、
こんな甘く切ないラブストーリーを生み出してみせた
作者・七月隆文さんの力量はホントすごいと思うよ!!
ストーリーを詳しく話すとどうしてもネタバレになっちゃうのデスが、
触りだけ話すなら、京都の美大に通う主人公が一目惚れして
付き合うことになった女の子。何をやらせても完璧な彼女との
甘い恋人生活が続く中で、やがて明らかになる彼女の秘密。
その驚愕の真実とは? そしてそれを知った主人公の決断は??
最初に告白した時、「また会える?」と問いかけたぼくに
なぜ彼女は唐突に涙を流したのか--
そしてそれ以降も二人の恋愛関係が進展していくごとに、
幸せなはずの彼女はなぜいつも悲しみを見せるのか--
そして彼女はなぜそこまで「完璧」を演じようとするのか--
いやまぁタイトルの段階で豪快なネタバレだし(笑)
帯にも「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」と
これまた結構ド直球なネタバレがあるので(笑)
理屈はともかくとしてそういう設定なんだろうなぁ、というのは
最初からある程度想定済みなのですが(伏線もわかりやすいし)、
でも明かされた真相は予想の更に上を行くものであり、
いや、てっきり単に〇〇からタイムスリップして来たのかと……(^_^;)
そして何より秘密を知った後の展開の中で、怒濤のように
押し寄せる切なさと感動が凄いんですよ!!(>_<)
「彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる」
というキャッチコピーはウソじゃないね!!(;´д⊂)
ということで、これ以上は内容についてはコメントしません(笑)
悔しかったらぜひ読んでください。そりゃもう泣けるから!(;ω;)
そうねぇ、たとえていえば『陽だまりの彼女』と似た感じなんですが、
個人的には切ない感動の点ではこちらの方が上だと思います!
たくさん売れて、これも映画化とかされたら嬉しいなぁ♪(*^▽^*)
PS
なお、作者の七月隆文さんはボクは存じ上げていなかったのデスが、
Wikiで調べてみたらけっこう息の長いラノベ作家さんなのな!Σ(・ω・)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E6%9C%88%E9%9A%86%E6%96%87
(まさか『ときめきメモリアル』のノベライズ担当さんだったとは…道理で上手いハズ!)
これはぜひともラノベ作品の方も読んでみなきゃなぁ!(≧▽≦)
PS2
相性がいいのか、他にも色々傑作がありマス。
『ビブリア古書堂』の中でも紹介されてた
『たんぽぽ娘』とかも良い感じデスよねー
まぁびみょーに浮気テイストな内容だケドな!w
※付記(ネタバレあり!)
……と、言う感じで紹介してから約4ヶ月あまり経ちましたが、
じわじわと評価も浸透していって、現在25万部とのこと!
近所のセブンイレブンにも何冊も置かれててビックリしたよ!
こうなって来るとマジに映画化もあるかもなーヽ(*´ω`*)ノ
アニメ化されるしで注目の一年になりそうデスね!
これニコ動で配信されたら観るつもりなんだケド、
きっとこの作品とは全然テイスト違うんだろうなぁw
いやまぁボク的にはまったく問題無いデスけどね!
でもこの話が多くの読者さんに広まっていくのは嬉しい事で、
ボクも知人達に紹介して布教にいそしんでるんだケド
ただこれやっぱ基本SFなので一般の読者さんが色々と
設定に混乱してるんじゃないかと心配になるよ!(苦笑)
たとえば、主人公とヒロインの時間が逆方向に流れている
というのが、どうにもピンとこない方も多いんじゃないかなー(^_^;)
ネットの感想とか見る感じでは、「じゃあヒロインの世界では
老人で生まれて、赤ちゃんになってくの??」的な誤解もちらほら。
いやそれぞれの世界的には普通に時間は流れてて、
でも両者を比較するとそれが逆方向だってことなんだケドね。
《参考として図時》
主人公の世界 :過去- -------------→未来
|二人が出会った時間|
ヒロインの世界:未来 ←--------------過去
とはいえ、確かにSF的な発想になれてない人には難解で、
それでこの話にノれないという人もいるかと思うのデスが、
でもこうした奇抜な設定だからこそ生まれた「切なさ」を
ボクとしてはやっぱり高く評価したいと思いますね!!
最後に、もちろん主人公もヒロインもどちらも切ないのデスが、
でも個人的には「子供の頃からずっと憧れていた相手が
自分を愛してくれている」という結末の状態を知った上で、
その感激を守るため必死で演技を続けたヒロインは
それはそれで幸せだったんじゃないかなぁ……と思います。
少なくとも自分の愛に殉じることができただけでも--
みなさんは、どう思われますか?
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